【保育園調理師が実践】子どもの野菜嫌いを卒業する5つのヒント

ご飯

「また野菜だけ残してる…」「どうしたら食べてくれるの?」
そんなふうに、子どもの野菜嫌いに悩んでいませんか?

実は、野菜嫌いには理由があります。しかも、無理やり食べさせると、逆効果になることも。

この記事では、保育園でたくさんの子どもと向き合ってきた調理師の視点から、「なぜ野菜が嫌いになるのか」「どうやって克服できるのか」をわかりやすく紹介します。

毎日のごはん時間がもっと楽しくなる、5つのヒントを参考にしてみてください。

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子どもの野菜嫌いはいつから?

「数えるほどしか食べさせてないのに…」「離乳食の時は好き嫌いなく食べていたのに、いつの間にか野菜嫌いに…」

子ども1歳を過ぎると自我が出てき、好き嫌いが増えることが多くなります。特に23歳のタイミングで野菜嫌いが始まります。

子どもの味覚は苦味や酸味に敏感

子どもと大人では味覚が違い、子どもは酸味・苦味が苦手な子どもが多いです。大人は好む方が多いですが、これは舌が成長するにつれておいしいに変わっていきます。

コーヒーやビールが飲めるようになるのがわかりやすいかもしれません。ピーマンや小松菜など苦みや酸味のある食材に敏感な子どもが多いのには理由があります。

見た目や食感に配慮が必要

「緑ー!葉っぱみたいー」というのが子どもの本音。小松菜やほうれん草など大人でも区別がつかない方もいるくらい判別がしづらいです。

また、子どものためにクタクタまで煮込む傾向が強い家庭がありますが、逆効果になる場合が多いです。ぐにゃぐにゃやどろどろよりも、食感のアクセントがあった方が食べやすく噛む練習にもなります。

過去の記憶や経験が好き嫌いに影響することもある

子どもたちの好き嫌いは見た目や味だけでなく、過去の経験や記憶から影響する場合があります。

楽しい記憶があれば思い出補正がかかりよく食べたり、嫌な記憶があれば食べなかったりと、味覚と記憶はつながっています。

子どもの野菜嫌いの鬼門は3歳から

子どもの野菜嫌いは1歳を過ぎれば徐々に増えてきますが、一番大変な時期は3歳前後

3歳前後には好き嫌いが増えるのは、満腹中枢が機能し始めるためです。

1〜2歳ごろまでは、満腹中枢が未熟なため、食べたいだけ食べ続け、嘔吐してしまう。こんなこともありますね。

満腹中枢が発達すれば、自分で量を調整することができるため、『これは食べるけどこっちは食べない』なと量を調整する以外にも、『ピーマン嫌いだから食べない』『唐揚げはもっと食べたい!』と、自分がどの野菜が好きで、どの野菜が嫌いなのか、わかるようになります。

選択肢が生まれることで、野菜嫌いが目立ち始めます。

子どもの野菜嫌いを卒業するための5つのヒント

① 野菜の切り方や形を工夫してみる

同じ野菜でも、切り方や調理法によって食べ具合が大きく変わります。

例えば、にんじんをそのまま煮ると食べない子でも、細かく刻んでハンバーグに混ぜるとペロリと完食することも。
星型やハート型など、見た目がかわいくなるカットにするのも効果的です。

②野菜の調理方法を変えてみる

例えば、小松菜が苦手な子がいるとします。スープに入れても、炒めても食べない。でも天ぷらやポタージュなら食べれる。

いろんな調理方法がありますが、スープに入れた小松菜を食べないのは、ふにゃっとした食感が嫌だったのかもしれません。

でも、天ぷらのように、高温で短時間で仕上げると、シャキッとした食感が残ります。

野菜の好き嫌いは味や見た目以外にも、食感も大事です。野菜嫌いで困ってる時は、食感を変えてみてはどうでしょうか?

③料理や買い物のお手伝いをしてもらう

子どもはお手伝いが好きです。大人にとっては、「これでいいの?」と思うような小さいお願いも、子どもにとっては達成感を感じとても喜びます。

嫌いな野菜を一緒に買ったり、洗ったりしてもらい、食べる前に「◯◯ちゃんがお手伝いしてくれた野菜だね」

そんな風に言ってあげると、「自分の野菜だから食べる!」と楽しそうに食べてくれますよ。

④子どもは甘味・塩味・うま味を好む

味覚には、甘味・塩味・うま味・酸味・苦味の五味があります。

子どもは玉ねぎ、人参、イモ類などの、甘味・塩味・うま味は、本能的に好み、酸味・苦味は、毒や腐敗を察知する味覚のため、慣れるまでは嫌いな子が多いです。

小松菜やピーマンなどは、苦味があるため、慣れるまではなかなか好んで食べませんが、何度も食べることで食べられるようになります。

子どもの味覚についてもっと知りたい方はこちらまで↓

⑤成功体験を積ませる(少し食べられたらOK!)

野菜を完食させるのを目指すのではなく、挑戦したことをほめることが大事です。まずは苦手な野菜はひと口食べればOK、徐々に0から1、1から2と成功体験を重ねることで、自分で挑戦していくことを覚えます。達成感を得ることで自信につながり、好き嫌いが少なくなっていきます。

子どもの野菜嫌いは学習によって決まる

自我が芽生えると、好き嫌いが増えますが、子どもの嫌いは味よりも経験による部分が大きいです。

食べた後に、体調が良くなった・悪くなったの記憶、食べてる時、楽しかった・嫌だったの記憶

こんな風に、食べてる時の気持ちによて大きく左右され、4つの学習に分けることができます。

安全学習

大人でも見慣れない食べ物って抵抗ありますよね?それは、子どもも一緒です。

子どもは初めての食べ物が多いので、いろんな食べ物をあげるより、繰り返し食べて、しっかり土台を作ってあげましょう。

「これ食べて美味しい!」

そう思えば、次からも安心して子供は食べてくれます。

嫌悪学習

食べた時に嫌な思い出があると、見た目だけで拒否してしまいます。

無理やり食べさせようとした、食べた後体調が悪くなった

など、味よりも嫌な思い出があることで、食べなくなることもあります。

嗜好学習

嫌悪学習と対照的な学習です。

風邪のとき食べたら、体調が良くなった・治ったなど、良い思い出があるものは、食材の味自体を好きになる事があります。

連想学習

子どもが野菜を嫌がる理由のひとつに、「連想学習」があります。

家族みんなで作って、楽しく食べた

楽しい食卓のイメージがあると、その時食べた食べ物も好きになり、逆に嫌なイメージがあると、嫌いになってしまいます。

「野菜=イヤなもの」というイメージがついてしまっている状態の時は、無理に食べさせるのではなく、少しずつ「楽しい」「おいしい」経験に書き換えていくことが大切です。

野菜嫌いの子どもが喜ぶレシピ

せっかくごはんを作ったのに、食べてくれないと切ない気持ちになりますね。

いったいどんな料理なら食べてくれるのか…

今回は子どもの野菜嫌いランキング上位の【ナス】【ピーマン】【しめじ】の3種類のレシピをご紹介します。

子どもの野菜嫌いにおすすめレシピ【ナス編】

https://moguna.com/recipes/20101304755

チーズが好きな子どもが多いので、やっぱりチーズとの組み合わせは鉄板ですね。

https://moguna.com/recipes/20101203936

いつものカレーにナスを入れてあげると、味や食感の抵抗なくなるので、食べてくれます。

チーズやカレーと言った、子どもが好きな食材や料理と合わすことで、食べるきっかけを作りましょう。

カレー粉などスパイスで作っても、カレールーを使ってもどちらでも大丈夫ですよ。

『○○ちゃん、この料理にナスが入ってるんだよ。』

『ナスが入った料理食べれたね!』

その時に、しっかり声をかけることを忘れずに。

声をかける事で、ナスを食べた時の美味しい!という気持ちを覚える事ができ、次から食べるきっかけになります。

子どもの野菜嫌いにおすすめレシピ【ピーマン編】

https://moguna.com/recipes/10101200838

クタクタになったピーマンより、シャッキ!としたピーマンの方が、食感のアクセントがあって食べやすいです。

https://moguna.com/recipes/801102A5583

細かく刻んで味付けごはんに混ぜると、ピーマンの苦味が少なくなるので、食べやすいです。

見た目で敬遠されるため、苦手なうちは他の食材と合わせて色が見えにくいようにするといいです。

子どもの野菜嫌いにおすすめレシピ【しめじ編】

https://moguna.com/recipes/10110203441

しめじの香りや味は子どもの野菜嫌いの原因だと思います。

しめじの味を殺すために調味料を入れるのではなく、生かすように醤油やバターと合わせるのがおすすめ。(しいたけは入れなくても大丈夫ですよ。)

https://moguna.com/recipes/20101100665

フニャっとした食感が苦手な子も多いので、クリームスープに入れるのもおすすめ。

しめじに限らず、キノコ系は主張の強い食材です。調味料をうまく使って、食べやすくしていきましょう。

野菜を食べないときによくあるQ&A

Q. どうして緑色の野菜は嫌いなのか?

A. 赤やオレンジなどの暖色系は食欲をそそりますが、緑は草や葉っぱのイメージが強く、味も苦みのあるものが多いです。また見た目が似てる野菜が多く、何の野菜なのかわからずに食べている可能性が高いです。

野菜の名前を教えながら食べて、緑の野菜と一括りにならないようにするのがおすすめ。

Q. 子どもの野菜嫌いに果物で代用はできる?

A. 答えとしてはNOです。野菜と果物は栄養価を見ると、共にビタミンやミネラルが豊富ですが、果物は糖度が高いため、食べ過ぎは肥満につながる恐れがあります。

サラダにフルーツを混ぜるなど、料理の一部として使ってもいいですが、フルーツがメインになってしまうと、ますます野菜を食べなくなります。

Q. 苦手な野菜は克服した方がいいのか?

A. 苦手な野菜があっても、ほかの野菜で栄養価が補えていれば無理に克服させる必要はありません。無理強いするとますます食べなくなるので、食べるきっかけがあれば少しずつ挑戦してみましょう。

まとめ

子どもの野菜嫌いはよくある話です。

「なんで全然食べてくれないの?」

「ごはんが美味しくないのか、食べさせ方が悪いのか…」

ちょっとした工夫や楽しい食卓を意識すると少しずつ食べられるようになることも多いでので、楽しい食事を心がけていきましょう。

今回もご閲覧ありがとうございます。

よしみけ٩(ˊᗜˋ*)و

元パティシエ/現保育園調理員「よしみけ」
元パティシエ&保育園調理員【食育のプロ】

初めまして!元パティシエ/現保育園調理員の「よしみけ」です。
パティシエの経験を始め、ホテルマンや専門店のサービス、保育園調理員の経歴を持ち、スマホの普及により、情報が溢れる今、正しい情報を伝えたいという想いからブログをスタート。
赤ちゃんから大人までのごはん・デザートをテーマに、食のスペシャリストとして15年以上の現場経験をもとに生きた情報をお届けします。
【保有資格】
・調理師免許
・薬膳コーディネーター
・HRS(ホテルレストランサービス技能検定)3級
・ジュニア野菜ソムリエ
・ふぐ調理師免許

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