こんにちはよしみけです。
お菓子作りで難易度が低めのゼリー。
お菓子作り初心者の方におすすめで、お好きなジュースにゼラチンや寒天など入れて固めるだけ。
ゼラチンや寒天のことをもっと知ったら、お店で売ってるゼリーも作れます。
一緒にゼラチンと寒天について、勉強しませんか?
目次
ゼラチンと寒天の違い
ゼラチンと寒天は、同じ固める食材でも原材料に大きな違いがあります。
牛や豚などの皮や骨から作られている『たんぱく質系』、
海藻や果物に含まれる果皮で作られる『糖質系』、この2種類に分けることができます。
ゼラチンのみ【たんぱく質系】で、寒天・アガーなどはすべて【糖質系】に分類されます。
大まかですが、ゼラチン・寒天・その他の一覧をご用意しました。
– | ゼラチン | 寒天 | アガー | HMペクチン | LMペクチン |
---|---|---|---|---|---|
種類 | たんぱく質 | 糖質系 | 糖質系 | 糖質系 | 糖質系 |
原料 | 牛や豚の皮や骨 | 海藻(テングサなど) | 海藻(カラギーナン) | 果物・野菜 | 果物・野菜 |
溶解温度 | 40〜50度 | 90〜100度 | 60〜100度 | 90〜100度 | 90〜100度 |
固まる温度 | 20度以下 | 40〜50度 | 30〜40度 | 常温 | 常温 |
口当り | 柔らかく口溶けが良い | しっかりした食感 | ぷるぷるして柔らかい | 弾力のある食感 | 口当たりが良い |
使用量の目安(100g) | 2〜2.5% | 1〜1.5% | 1〜2% | 0.5〜1.5% | 0.5〜1.5% |
カロリー | 338kcal | 0kcal | 0kcal | 0kcal | 0kcal |
ゼラチンと寒天は代用できる?
結論から言うと、代用できます。
ただ、食感やその他の性質はそのままのため、入れる量を調整する必要はあります。
100gの水に寒天1g入れるのと、ゼラチン1g入れるのでは、固さに違いが出ます。
☆ゼラチンから寒天に変える場合
寒天の量はゼラチンの半分に
【例:りんごジュース100gを、ゼラチン2gで固める時】
ゼラチンから寒天に変更し、そのまま2gで作ると、豆かんのような固さに。
0.8〜1gにすると、ゼリーのような滑らかな食感になります。
☆寒天からゼラチンに変える場合
ゼラチンの量を寒天の倍に
【例:りんごジュース100gを、寒天1gで固める時】
寒天からゼラチンに変更し、そのまま1gで作ると、凝固力が足りずジュレみたいになります。
倍に増やすと、ふるふるのゼリーになります。
オレンジやレモンなど、酸が強い液体を使う場合は、ゼラチンや寒天の量を少し増やすと、固まりやすいです。
ゼラチンの性質
ゼラチンとは、動物の骨や皮に含まれている「コラーゲン」という硬たんぱく質です。
自然に骨などから取れませんが、加熱することで構造が崩れ溶け出し、それを固めたものが「ゼラチン」です。
他のゲル化剤よりも溶けやすいため、夏場は特に注意が必要です。
ゼラチンを使えば、いろんなものをゼリーに出来ますが、固めることが出来ない食材があります。
パイナップル・パパイヤ・キウイ・イチジクなどの、たんぱく質分解酵素が含まれてるものや、レモンや梅などの極端に酸が強いものは、そのまま固めることができません。
ではどうすれば固まるのか?
たんぱく質分解酵素は、熱を加えると力が弱まるため、生の食材でもゼリーにする事が可能になります。
酸が強い食材と一緒に加熱しすぎると、たんぱく質の構成が変形してしまい、固まらない場合があるので、混ぜ合わせるタイミングや温度が大事です。
板ゼラチンと粉ゼラチンの違い
ゼラチンには粉末タイプと板状のタイプの2種類あります。
ゼリーを作るためにゼラチンを買いに来た時、どっちがいいのか悩んだことはありませんか?
おすすめは板ゼラチンです。
1枚当たりのグラムが決まっており、氷水に入れ、柔らかくなったら使えます。
粉ゼラチンのように、水を入れてふやかす必要がないので、時短で余分な水分が入りません。
☆板ゼラチンのメリット
・1枚当たりのグラムが決まっているので、計量の手間が省ける
・仕上がりに透明感がある
・余分な水分が入らない
☆粉ゼラチンのメリット
・1グラム単位で調整ができる
・板ゼラチンより凝固力がある
・売っているところが多い
どちらも同じ原材料なため、好みで使い分けて大丈夫です。
ただ、粉ゼラチンを計量して使う場合、計量機によっては正確にグラムが計れないので、注意が必要です。
寒天の性質
寒天と言えば、和菓子を思い浮かべませんか?
ゼラチンなどと同じように、熱で溶かす・酸に弱い性質ですが、他とは大きく違う点が1点あります。
それは、【離水しやすい】
離水を防ぐためには、砂糖を多く入れ保水性を高める必要があります。
そのため、ゼリーで使うよりも、羊羹など砂糖の量が多い和菓子で使われることが多いです。
アガーの性質
アガーとは、スギノリ・ツノマタなどの海藻から作られています。
寒天の海藻とは違う性質を持っており、κ型・ι型・λ型の3つの構造を、作りたいお菓子に合わせて組み合わせています。
ゼラチンや寒天と大きく違う点は、ミネラルやたんぱく質の作用によって固めるという点です。
例として、ミネラルを豊富に含む牛乳を合わせると、簡単に固まります。
また、冷凍しても性質が変わらないため、冷凍保存が可能です。
ペクチンの性質
ペクチンとは、果物や野菜の中にある「天然のゲル化剤」です。
未熟な食材のペクチンでは、うまく固まりませんが、熟してくると、大量の砂糖と強い酸によって固めることが出来ます。
ただし、熟しすぎた場合は、ペクチンの力が弱いため作ることが出来ません。
果物の種類によっても、量が違うため、果物と砂糖でジャムを作れる場合もありますが、季節や熟れ具合によっては、ペクチンを追加で入れる必要があります。
高メトキシルペクチン
大量の砂糖と強い酸を必要とする性質があるので、甘味の強いジャムや、酸味の強いゼリーを作れます。
低メトキシルペクチン
ミネラルを利用して固めるため、インスタントプリン・ゼリー・うわがけ用のゼリーなどに使われます。
ゼリーは砂糖が多いほど…
ゼラチン・寒天・アガーといろんな凝固剤がありますが、みなさん作る時はパッケージに書いてある通りに作りませんか?
でも、『もうちょっと甘さを抑えたい』『もう少し柔らかい方が好み』など、あと少し手を加えれば自分好みになる、そんな時もあると思います。
ゼリーの甘さや柔らかさを変える鍵は、【砂糖】です。
砂糖を増やせば、柔らかさや透明度が増します。
砂糖以外にも、レモン汁(酸)の量を増やすことで柔らかくもなります。
甘さはちょうどいいけど、もっと柔らかくしたい場合は、凝固剤の量を減らして下さい。
ゼラチン・寒天・アガーのどの凝固剤を使っても、砂糖の効果は同じです。
まとめ
用途に合わせてゼラチン・寒天を使い分け、作りたいものを作っていきましょう。
固まる温度、口溶け、酸に弱い、加熱しすぎに注意など、それぞれの性質に合わせて作ってみてください。
ゼラチン・寒天・アガーについて、それぞれ細かい検証をしてるおすすめの本
【たけだかおる洋菓子研究室のマニアックレッスン 凝固剤編】
たけだかおる洋菓子研究室のマニアックレッスン 凝固剤編
こんなにも細かく検証しているのか…!と、ゼリー作りの初心者プロ問わずおすすめです。
書店に並んでいますので、気になる方はぜひ手に取ってください。
今回もご閲覧ありがとうございます。
よしみけ٩(ˊᗜˋ*)و
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