料理には基礎があり、レシピを読み解く力も必要ですが、まだ必要なものがあります。
『いつもと同じレシピを作っていたのに、仕上がりが違うな…』
そんな経験ありませんか?
同じように作っても、火加減・食材を入れるタイミングが違うと、全く別のものになります。
『成功するか失敗するかは、天に身を委ねるしかないのか…』
そんなわけはなく、科学を知ることで、同じように作ることができます。
科学を制するものは、料理を制する。
目次
料理は科学と隣り合わせ
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料理で起こることは、偶然できるのではなく、しっかり理由があります。
緑色の野菜が、綺麗な緑色になったり、くすんだ色になったり
砂糖を焦がすと、キャラメルになったり黒焦げになったり
『いつもと同じことをしたはずなのに、仕上がりが大きく違う』
料理はちょっとしたタイミング、温度、素材の状態
一つでも条件が変わると、結果は大きく変わります。
なんとなくやっては、いつまでも偶然にしかできないので、『なぜ?』を知ることで科学のコツを知ってみましょう。
料理の科学一覧
毎日欠かせない料理ですが、いつもレシピ通りに作っていませんか?
いつも通り作っても、もちろん出来ますが、科学を理解すれば、また違った仕上がりになります。
料理をしていると、よく見る科学のなぜを見てみましょう。
なぜりんごやじゃがいもは変色するの?
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りんごやじゃがいもは切ってしばらくしたら、切り口が褐色に変わっていることはありませんか?
よくあることですが、なぜ色が変わるのか?
人参や小松菜は色が変わらない
なぜ、色が変わる野菜・変わらない野菜があるのか?
実は切り口が褐色に変わるには、条件があります。
ポリフェノール系物質・酸素・酸化酵素の三拍子揃うことです。
『なんじゃそりゃ…』
と思う方がほとんどだと思うので、解説してみましょう。
野菜や果物には、ポリフェノール物資というものが含まれます。
酸化反応をすすめる酸化酵素と酸素に触れると、酸化され褐色になります。
りんご・モモ・ゴボウ・レンコン・ナスなどが、三拍子揃ってる野菜果物です。
褐色させないためには
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逆に、葉菜類・人参・イチゴなど、ポリフェノール系物資や酵素がないものは、褐色しません。
レモン汁・短時間加熱をして、酵素の力を弱くする。
水につけて、空気に触れないようにする。
こんな風に、三拍子を揃わなければ褐色しないということです。
緑の野菜を綺麗に見せるには?
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料理は味も大事ですが、見た目も同じくらい大事です。
色鮮やかな料理と、真茶色な料理
小松菜やほうれん草など、緑色の野菜を加熱したら、クロロフィルに反応し、一瞬色鮮やかになります。
『クロロフィルってあの緑のなにか?』
理科でお馴染みのクロロフィル。
加熱すると一瞬色鮮やかになり、そのあと褐色していきます。
一瞬なら色鮮やか、そのあとは後退する一方なので、沸騰したお湯でサッと湯がきましょう。
旨みと旨みの掛け合わせ
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甘味・塩味・酸味など、いろんな味覚がありますが、日本人特有の味覚があるのを知っていますか?
【旨み】
かつおぶしと昆布
イノシン酸とグルタミン酸
旨みと旨みの掛け合わせは、相乗効果を生み、1+1=2になるのではなく、3にも4にも10にもなります。
お菓子の科学一覧
料理は毎日欠かせないため、自然と慣れていきますが、お菓子はどうでしょうか?
『そういえば、誕生日が近いからケーキを焼こうかな』
『クリスマスには、みんなにクッキーをプレゼントしよう』
久しぶりの手作りお菓子を作ったのに…
結果は散々…
そんな経験ある方も多いかと思います。
お菓子は料理よりも科学のコツが重要です。
科学のコツを知っていれば、レシピの意図を読み取り、成功率をグッと上げれます。
生クリームは、サラサラトロッとボソボソ
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生クリームは始めはサラサラですが、泡立てると、どんどん固くなりクリームに変わります。
『ただ混ぜればクリームになるの?』
たしかに、混ぜて空気を含ませれば、クリームになりますが、環境によって完成度が大きく違います。
そもそもなぜ泡立てると、クリームになるのか?
生クリームには、乳脂肪が多く含まれていて(よく〇〇%と見かけますが、その数値が乳脂肪)、それを刺激することで、とろみがつきクリームへと変わりますり
クリームになってからも、さらに泡立てを続けると、分離してしまい、生クリームからバターへと変わってしまいます。
冷やして安定させる
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ただ泡立てても泡立ちますが、冷たい環境を整えることで、よりきれいに泡立ちます。
乳脂肪は、温度が高いと泡立ちが悪くなり、ザラザラした口溶けの悪いクリームになります。
10度以下の状態で泡立てることで、きめの細かいなめらかなクリームになります。
キャラメルと焦げは紙一重
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砂糖を火にかけ加熱すると、茶色になっていき、そのあと焦げて黒色になっていきます。
キャラメルを作ったとき、よく焦げた話をよく聞きますよね。
キャラメルや焦げは、160〜180度に加熱した際に起こる『メイラード反応』によるものです。
160度を超えると、『カラメル』という物質になり、さらに加熱すると、焦げになります。
カラメルから焦げになるまでには、数秒の間に変化するので、まさに紙一重の変化です。
メイラード反応を使ったお菓子
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ちなみに、『メイラード反応』は、身近な食べ物でもよく見かけます。
代表的なものは【カステラ】です。
メイラード反応によって、砂糖が香ばしい香りと色に変わります。
どんな砂糖でもこの反応は起きますが、上白糖に含まれる【転化糖】というものが、よりきれいな焼き色になります。
科学は料理のどんな工程にもいる
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料理の科学は、加熱する時だけに発生するのではなく、どの工程にもあります。
洗う・ひたす・切る・おろす・こねる・混ぜる・冷やす・焼く・炒める・揚げる・蒸す・ゆでる・煮る・加工
様々な工程にひそんでいて、ほんのひと手間をするだけで、見た目が大きく変わります。
『洗うだけで、なにが変わるの?』
と疑問を持つかもしれません。
水で洗うのか、お湯で洗うのか、お酢を入れて洗うのか
洗うだけで色を黒ずむのを防ぎ、しなっとした野菜をシャッキとさせたり、効果は様々。
いろんな科学を知り、一つ一つの工程を知ることで、味も見た目も美味しいものを作ってみましょう。
科学を知るものは、料理を制する
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生野菜と加熱した野菜では、味が違います。
これは、加熱によって野菜の性質が変化したからです。
例えば玉ねぎは、生のままだと辛み成分が強いですが、加熱すると辛み成分が『プロピルメルカプタン』という、甘みの成分に変わります。
科学を知れば、食材に合った調理法・組み合わせを選ぶことができ、より美味しくきれいに出来ます。
『なぜこうなるのか?』
そう疑問を感じた時は、そのままにせず、調べてみて疑問を解決してみましょう。
疑問を解決した分だけ、自分の知識へと変わります。
まとめ
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科学と聞くと難しそうですが、『なぜ?』を理解すると、すんなり頭に入ります。
普段ならそのまま流してしまうことも、自由研究をやるように、楽しんでやっていくことが大事です。
なぜを一つ知れば、いろんなことに応用できますので、なぜをたくさん見つけて、自分だけの『なぜなぜ辞典』を完成させるといいですね。
今回もご閲覧ありがとうございます٩(ˊᗜˋ*)و
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