料理やお菓子には欠かせない上白糖。日本の定番の砂糖ですが、「上白糖は体に悪いから」とよく耳にします。上白糖は本当に体に悪い影響を与えるのか?特徴や体への影響など、ほかの砂糖と比較して解説します。
上白糖ってどんな砂糖?
上白糖は日本で最も使われている砂糖のひとつですが、どのようにして作られるか知っていますか?
砂糖に使われる原材料は、大きく分けてサトウキビと甜菜の2種類。
そこからさらに砂糖を分類すると、砂糖は含蜜糖と分蜜糖(精製糖)に分けられて、含蜜糖は黒糖・和三盆、分蜜糖(精製糖)は4つの砂糖に分けられます。
ざらめ糖
純度が高くクセがなくめ上品な甘さ。結晶は細かく転化糖をまぶしていないため食感はザラザラし、熱を加えてもカリカリの食感が残りやすいです。
主な砂糖:グラニュー糖・中双糖など。
車糖
転化糖をまぶしているため、結晶が細かくしっとりしたクセのない味。水に溶けやすく、メイラード反応により焼き色が綺麗に仕上がる。
主な砂糖:上白糖・三温糖など。
液糖
液体状の砂糖。
主な砂糖:ガムシロップ・果糖ブドウ糖液糖など。
加工糖
ざらめ糖やグラニュー糖を、さらに手にを加えて加工した砂糖。
主な砂糖:氷砂糖・粉糖など。
グラニュー糖や三温糖など、一部の砂糖も原材料はサトウキビから作り、途中までは同じ工程をして作ります。
白砂糖は、白くするための着色料が入っているから、体に悪いと思っている方もいますが、全くの誤解で砂糖の結晶は無色透明。
光の反射によって白色になるため、着色料などは使っていないです。
なぜ上白糖は体に悪いと言われるのか?
「上白糖は体に悪い」とよく聞きますが、主な4つの理由を紹介します。
- 栄養価がほとんどない(エンプティカロリー)
- 血糖値はが急激に上がりやすい(高GI食品)
- 上白糖を摂った分だけ、ビタミンやミネラルも一緒に外に出てしまう
- 摂りすぎると肥満や糖尿病のリスクが上がる
原材料のサトウキビ本来には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれていますが、上白糖は精製を繰り返し行う事によって綺麗な白色になる代わりに、栄養素がどんどんなくなっていきます。
そのため、上白糖を摂り入れても、カロリーは摂れるが、その他の栄養素はほとんどありません。
上白糖のような白砂糖を多く摂り入れても、体内で消化・解毒・排出などでエネルギーを使うため、上白糖を摂った分だけ、ビタミンやミネラルも一緒に外に出てしまい体に悪いです。
上白糖以外にも、グラニュー糖や三温糖なども栄養素がほとんどないため、同じことが言えます。
黒糖のような茶砂糖の多くは、不純物を取り除かないで固めるため、栄養素が残り体に良い砂糖と言われますが、食べ過ぎは逆効果になるので注意しましょう。
上白糖とほかの砂糖との違いを比較
上白糖は体に悪い効果があるとご説明しましたが、他にも体に悪い砂糖はあるのでしょうか?家庭でもよく使う砂糖と比較してみましょう。
砂糖の種類 | 特徴 | 栄養価 |
上白糖 | クセがなく、しっとりした仕上がりになる。カステラや上生菓子など、和菓子によく使います。 | 栄養価がほとんどない(エンプティカロリー) |
グラニュー糖 | 上白糖に比べると焼き色がつきにくいため、ケーキや焼き菓子などに使われます | 栄養価がほとんどない(エンプティカロリー) |
てんさい糖 | 甜菜由来のため、やさしい甘みで体を温める効能がある | オリゴ糖など含む |
黒糖 | 未精製のため栄養価を多く含んでいる。独特のコクがクセになる | カルシウム・鉄など含む |
グラニュー糖は上白糖と特徴は違いますが、栄養価に関してはほとんど変わりません。てんさい糖や黒糖は、栄養価が少しあるため、健康面を気にするときは積極的に使っていくのがおすすめです。過剰に摂取するとどの砂糖も体に悪いため、適量を守りましょう。
上白糖のデメリット
砂糖を食べると、骨が弱くなる、イライラすると無性に甘いものを食べたくなる、という話を耳にしたことはありませんか?
上白糖を摂ると、具体的にどんなデメリットがあるのか見ていきましょう。
カルシウムが不足する
人は基本的には弱アルカリ性で、酸性の食べ物である上白糖を食べると、体内のミネラルを使い中性に戻します。
その際ミネラルの中でも、カルシウムを多く使うため特にカルシウムが不足しがちに。
体内の歯や骨を溶かしてカルシウムを供給するため、歯や骨がもろくなる事から、溶けるという表現を使う事があります。
体を冷やす
上白糖には、炭水化物以外の栄養素が入っていないため、体内に入るとビタミンB1やカルシウムを使ってエネルギーに変えます。
血液の中の赤血球を作るビタミンB1が不足してしまうと、血流が悪くなりドロドロになったり、体内に熱をうまく運べなくなったり、体を冷やす原因の1つになります。
これ以外にも、感情の起伏が激しくなる・虫歯や骨粗鬆症の原因など、様々な症状になりやすくなりますよ。
上白糖と茶砂糖の栄養価の違い
上白糖が体に悪い原因の1つとして、栄養価がないためと分かりましたが、体に良い砂糖と栄養価はどのくらい違うのでしょうか?
違いを比べていきたいと思います。
– | 上白糖 | きび糖 | 甜菜糖 |
---|---|---|---|
カロリー | 384カロリー | 396カロリー | 390カロリー |
ナトリウム | 1mg | 17mg | 50mg |
カリウム | 2mg | 172mg | 35mg |
カルシウム | 1mg | 21mg | 1mg |
マグネシウム | 0mg | 13mg | 0mg |
3つの砂糖を比べると、カロリーは一緒くらいですが、ミネラルは上白糖と茶砂糖では大きく違います。
上白糖やきび糖はサトウキビが原材料ですが、甜菜糖のみ甜菜から作られます。
甜菜糖には体を温める効果や、善玉菌であるビフィズス菌を増やす効果のあるオリゴ糖が豊富に含まれているので、サトウキビが原材料の砂糖とは、栄養価以外にも大き違う点があります。
上白糖のメリット
上白糖は体に悪いという印象は強いですが、それは過度に摂取してしまった場合です。
日本料理や和菓子で使う砂糖といえば上白糖。茶砂糖では代用できない、上白糖にしかないメリットを見てみましょう。
メイラード反応
メイラード反応という言葉は聞き慣れないかと思いますが、簡単にご説明すると、加熱すると茶色く仕上がるということです。
焼いた時にきれいな焼き色をつけたい、カラメルソース・カステラ・パンケーキなどの焼き菓子を作るときにはおすすめ。
しっとり感がある
上白糖は転化糖を加えて作られているため、しっとりした砂糖です。そのため、水分を吸収しやすく焼き菓子がしっとりした仕上がりになります。
メレンゲやクッキーなどの軽い食感には不向きですが、カステラや上生菓子には適しています。
クセがなく素材の味を生かせる
上白糖はクセがなく、どんな料理やお菓子とも相性がいいのが特徴。
茶砂糖は砂糖自体に風味や色があるため、素材を生かしたい料理・白色に仕上げたい・素材の色を出したい時には不向きです。
上白糖が体に悪い?答えは「摂り方次第」
上白糖は、摂り過ぎると体に悪いですが、黒糖のような体に良い砂糖も同じです。上白糖は栄養価もなく体に悪い点も多いですが、甘いものを食べると幸せな気持ちになります。砂糖は料理やお菓子には欠かせない調味料ですので、「体に悪いから使わない…」ではなく、上手に付き合っていきましょう。
今回もご閲覧ありがとうございます。
よしみけ٩(ˊᗜˋ*)و
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