霜降(そうこう)を過ぎると、朝晩の冷え込みがぐっと強くなり、布団が手放せない時期がやってきます。木々の葉が散り始め、「冬の気配が感じられる『立冬(りっとう)』が訪れます。」
この時期は、空気の乾燥とともに肌や喉の潤いも奪われやすくなるため、白菜や大根など “体の中の乾燥ケア” に役立つ食材を取り入れたいタイミングでもあります。
立冬とは

立冬は二十四節気の第19番目にあたり、暦の上では冬の始まりを意味します。 「立」には“はじまり”という意味があり、冷たい風が吹き始め、冬支度を整える目安とされています。
「こたつ開きの日」と呼ばれることもあり、江戸時代では、旧暦の10月(亥の月)の亥の日にこたつを出すと、その年の冬は火事にならない「縁起を担いだ習わしもありました。」
近年は温暖化の影響もあり、暖かい日も多いですが、昔から立冬は、冬の暮らしの準備を整える大切な目安とされてきました。 私も先日、干し柿や干し芋を仕込みながら「季節が進んできたな」と感じました。
初候:山茶始開(つばきはじめてひらく)11/7~11/11頃

立冬を迎え、空気にひんやりとした冷たさが混じり始める頃、庭先や公園ではさざんか(山茶花)がひっそりと花を咲かせます。「山茶始開(つばきはじめてひらく)」といわれるこの時期は、秋から冬へと季節が静かに移り変わる合図のようです。
空気が乾燥し、肌のケアや冷えを感じやすくなるため、体の内側からケアできる大根や白菜などの冬野菜を積極的に摂っていきたいです。
11月7日は「鍋の日」と言われ、水炊きや湯豆腐、しゃぶしゃぶなど旬の食材を一度に楽しめます。季節のうつろいとともに、心と体を満たす食の楽しみが深まる時期です。
次候:地始凍(ち はじめて こおる) 11/12~11/16頃

霜が降り地面がうっすらと白み、朝日が当たるまで土が凍ったまま——そんな冬の気配がはっきりと感じられる「地始凍(ちはじめてこおる)」の頃。
踏みしめる土が硬くなり、朝の空気が一段と澄み渡り、呼吸するたびに出る白い吐息を見れば、ひんやりとした空気の冷たさが目に見えます。 この時期は体を温める食材をしっかり取り入れたい季節。
生姜やねぎ、にんにくなどの香味野菜、根菜たっぷりのスープや煮込み料理が、体の内側からぽかぽかと温めてくれます。冬野菜の代表であるほうれん草は、夏に比べるとビタミンⅭが多く含まれ、鉄分や葉酸も含んでいるため、貧血気味の方にはおすすめです。
末候:金盞香(きんせんかさく)11/17~11/21頃

旧暦10月は別名は神無月と言われ、全国の神様が出雲の国に出かけます。逆に出雲では神在月と呼ばれ、出雲大社では神送り、神迎えなど神様の行事が目白押しです。
晩秋の冷たい風が頬をかすめる頃、凛とした空気の中で金盞花(きんせんか)が静かに香り立ちます。「金盞香(きんせんかさく)」といわれるこの時期は、深まる秋と近づく冬の境目。
体を温める根菜野菜を、煮物や味噌汁にすると、味の染み込んだ野菜の甘さが汁に溶け込み、冷えた体にしみ込みます。金盞花が香るこの頃、季節の恵みをじっくり味わう食卓を楽しみたいものです。
立冬の食べ物

立冬の時期は、温かい鍋料理や根菜スープで体を温めるのが定番です。生姜やねぎなどの薬味を添えると、さらに効能アップします。旬の食材を使って、寒さに負けない体づくりに役立つ、簡単なレシピもおすすめです。
- 大根と人参の煮物
- かぼちゃの味噌汁
- 焼き芋やさつまいものデザート
本格的な冬が到来する前に、衣替えや加湿器の準備など、冬支度も始めるタイミングです。 子どもと一緒に食材を切ったり、料理を作ったり、温かいごはんを食べて季節を体感しましょう。
まとめ

冬の入り口「立冬」。冷たい空気が肌に触れる季節ですので、旬の食材や温かい料理で心も体もほっこりしましょう。
次回は、冬が深まり始める「小雪(しょうせつ)」をお届けします。
今回もご閲覧ありがとうございます。
よしみけ(´・ω・`)


