子どもはどうして誤嚥しやすいの?窒息させないためにできること

子ども

子どもがごはん中に、誤嚥・窒息したというニュースをよく耳にしますが、なぜ子どもは誤嚥しやすいのでしょうか?

誤嚥しないために、普段できることはあるのか?どんな食べ物なら安全なのか?など、気になる疑問にお答えします。

目次

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誤嚥とは?

誤嚥とは、食べ物や唾液を飲んだときに、食道ではなく気管に入ってしまうことです。

気管に詰まってしまうことで、呼吸ができなくなり窒息してしまいます。

本来なら、咳やむせることで異物を取り除くことができます。しかし、子どもはのどが狭く、咳き込む力も弱いため、異物を押し返すことがうまくできません。

そのため、そのまま誤嚥し窒息してしまう可能性があります。

子どもが誤嚥になる原因は?

「子どもが誤嚥し、窒息して亡くなった」という悲しいニュースが跡をたたないですが、どうして誤嚥するんでしょうか?

なぜを知ることで、未然に誤嚥を防げます。子どもの誤嚥につながりやすい3つの原因をみていきましょう。

手が届く場所に誤嚥しやすい食材がある

約4cm以下のものは、小さい子の口に入る大きさのため、食べ物・おもちゃ問わず手の届かない場所に置きましょう。特に丸くてつるっとした形状のミニトマト・スーパーボールなどは、誤嚥しやすいので注意です。

そのほかにも、弾力があるソーセージやぶどう、粘着性があるお餅や白玉など、子どもにとって誤嚥しやすいものはたくさんあります。出す前にカットしたり、そもそも月齢に合っていない場合は、出さないという選択肢も覚えておきましょう。(※1)

子どもの噛む力、飲み込む力を知っておく

歯の育ち方・食べ方など、月齢によって目安はありますが、子どもによって差は大きくあります。「今の月齢なら、これくらい大丈夫だろう」と思うのではなく、「しっかり噛めているのか?」「飲み込むクセはついていないか」など、日ごろの子どもの様子を知っておくことが大事です。

詰め込むクセがあれば、少しづつ食べることを教えていく。飲み込むクセがあれば、スティック野菜を用意し、噛むことを覚えるように促す。など、子ども自身が安全に食べれる方法を教えていきましょう。

食べる姿勢

・口の中にごはんが入っているのに動き回る

・口の中にどんどん詰め込んでいく

・水分をあまりとらない。

など、普段のごはんの光景かもしれませんが、すべて誤嚥になる可能性があります。日頃からごはん中のルールを決めておきましょう。

まずは大人が子どものお手本になって進めていくのがおすすめです。

誤嚥しやすい食材

普段何気なく口にしているものが、子どもにとっては誤嚥の原因になるものがあります。

食べる場合は、小さくカットしたり、そもそも出すこと控えるなど、月齢に合ったものを用意しましょう。

誤嚥しやすい食材と、予防方法を合わせて覚えておきましょう。

形状・特製食材誤嚥を防ぐためにできること
丸い・つるっとしているうずらの卵・ミニトマト・白玉・ぶどう・こんにゃく・ゼリー・飴など・丸のままではなく半分または1/4にカットする
・白玉のような、弾力があってつるっとしたものは、出さないのがおすすめ
・ゼリーはスプーンですくって食べる
粘着性があり、唾液を吸収するパン類・ごはん・カステラ・せんべい・お餅など・食べる前に水分を取っておく
・詰め込み過ぎないようにする
・よく噛んでいるのか確認する
固くて噛み切りにくいイカ・たこ・りんご・柿など・噛む力が弱い乳児にはあげないようにする
・出す場合は、やわらかくする・丸飲みしない形状にする
弾力性があるものグミ・ポップコーンなど・弾力があるため、噛む力が弱い子には出さない。4歳以上が推奨
唾液を吸収して飲み込みずらい焼きのり・わかめなど・細かく刻み、少量ずつ口に入れる
・一気に食べると、口の中でまとまるので注意
※2

子どもの誤嚥予防方法

大人に比べて子どもが誤嚥しやすい要因は、大きく2つに分けることができます。子どもの食べ方と、誤嚥しやすい食品について理解すること。2つの要因を理解し、毎日の習慣にすることが大切です。

正しい食べ方を身に付ける

一般的に、生後5~6ヶ月で離乳食初期、生後7~9ヶ月で離乳食中期、生後10~12ヵ月で離乳食後期、1歳を過ぎると普通食という流れになります。

ただし、あくまでも目安であってこの通りに進める必要はありません。同じ月齢でも子どもによって食べ方は大きく違います。

しっかりと食材をつぶしたり噛んだりする子もいれば、そのまま飲み込んでしまう子もいます。大事なのはその子の歯の生え方・噛む力・飲み込む力などの食べる力を理解し、その子に合わせた食材の大きさや固さに変えることです。

また、歩きながら食べる、口いっぱい頬張るなど、食べてる時の行動によって誤嚥に繋がることもあります。どんなことに注意すればいいのかまとめを見てみましょう。

・食べているときは歩き回らない

・口いっぱいに食材を頬張らない

・食べる前に水分を取って、のどを潤しておく

・噛む習慣をつける

・月齢に合った食材の大きさ・固さにする

誤嚥しやすい食材を知っておく

「1歳児がポップコーンを誤嚥し、緊急搬送された」「小学1年生が給食のうずらの卵をのどに詰まらせ亡くなった」など、未満児から小学生まで誤嚥のニュースが後を絶ちません。

大人が何気なく食べているものでも、子どもにとっては誤嚥しやすい食材はたくさんあります。先ほど書いた誤嚥しやすい食材と、提供時の予防方法を合わせて覚えておきましょう。

やわらかいもののほうが好まれることが多くなり、昔に比べるとあごや噛む力が弱くなったと言われています。そのため、咀嚼回数が減ったり、噛まずに飲み込むなど、食べ方に変化がでてきています。

誤嚥しやすい食材を避けることも大事ですが、誤嚥しない食べ方を教えることはもっと大切です。

・大きめに食材を切る・固めに仕上げる

・噛み切ることを覚える

・普段から噛む習慣を促す

毎日の習慣が誤嚥を防ぎます。※3.4

誤嚥した時の対処法

どれだけ注意しても誤嚥することがありますが、対処法を覚えておくことで事故を未然に防ぐことができます。

3つの対処法がありますが、乳児(1歳未満)か幼児(1歳以上)の場合で、やり方が違うのでそれぞれ覚えておきましょう。

どの方法でも、意識がなくなった場合はすぐに心肺蘇生を行います。※5

背中を叩く(背部叩打法(はいぶこうだほう))

【乳児の時】

うつぶせにした子どもを膝にのせて、頭が胸部よりも下がった状態にし、片手で支えながら手のひらであごをしっかりと掴みます。

空いている手の平のつけ根でしっかりと背中をたたきましょう。5~6回叩き、異物が出てこなければ繰り返し行います。

【幼児の時】

子どものあたまを突き出すような体制にし、肩甲骨と肩甲骨の間を、手のひらのつけ根で強く叩きます。

乳児同様に5~6回強く叩き、異物が出てこなければ繰り返し行います。

胸部を圧迫する(胸部突き上げ法)

【乳児の時】

仰向けにした子どもを膝にのせて、頭が胸部よりも下がった状態にし、片手で支えながら手のひらで頭をしっかりと掴みます。

みぞおちよりも指3本分ほど頭に近い位置で、人差し指と中指の2本の指で5回ほど押します。異物が出てこなければ繰り返し行います。

【幼児の時】

胸部突き上げ法ではなく、背部叩打法か腹部突き上げ法のどちらかを行いましょう。

腹部突き上げ法(ハイムリック法)

【乳児の時】

内臓を傷付ける可能性がありため、1歳未満の子どもにやってはいけません

背部叩打法と胸部突き上げ法を交互にしていきます。

【幼児の時】

子どもの後ろに周り、脇の下からおへそ付近に手を回します。

おへその少し上あたりに、片方の手でこぶしを作り、もう片方の手でこぶしを包むように握ります。

みぞおちあたりに向かって、斜め上に向かって素早く圧迫します。5〜6回ほど繰り返していきましょう。

※6

まとめ

誤嚥が起きたときに、慌ててスマホで【子ども 誤嚥 やり方】と調べていては、手遅れになる可能性が高いです。

子どもが誤嚥しないために、正しい食べ方を日頃から習慣づけましょう。また、予防方法を覚えるだけでなく、実際にシュミレーションして、いざというときにしっかり動けるようにすることが大切です。

今回もご閲覧ありがとうございます。

よしみけ٩(ˊᗜˋ*)و

【参考文献】

※1 誤飲・誤嚥などの事故を予防するためにできることとは | メディカルノート (medicalnote.jp)

※2 食品による窒息 子どもを守るためにできること|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY (jpeds.or.jp)

※3 ポップコーンによる子どもの窒息 学会が注意喚起(倉原優) – エキスパート – Yahoo!ニュース

※4 男子児童が給食詰まらせ死亡 うずらの卵による窒息か 福岡 みやま市の小学校 | NHK | 福岡県

※5 心肺蘇生法の手順|日本医師会 救急蘇生法 (med.or.jp)

※6 応急手当(1)窒息・誤飲 – NHKすくすく子育てch

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